
2009/12/18(金)
東洋医療コースの目指す鍼灸師像
保健医療学部では「人体の機能Ⅰ・Ⅱ」、大学院では「生体情報学概論・特論」などの科目を担当している樫葉均と申します。
さて本学は、関西鍼灸短期大学として発足し、関西鍼灸大学を経て、関西医療大学へと発展してきました。卒業生らは、鍼灸師の資格や、他の医療分野の資格をさらに取得し、医療の現場で地域の人々の健康増進に貢献しています。そんな中、研究分野で活躍したいと考える卒業生は決して多いとは言えません。現在の鍼灸治療の考え方を支えている東洋医学は、東洋思想の中で育まれた美しい生体理論で構成されています。
しかしながら、その東洋医学を自然科学的立場から眺めてみると、まだまだ説明しがたい部分も多く、解明しなければならない神秘のメカニズムが多く残存していることもまた事実です。平成19年度よりスタートした大学院修士課程(現在のところ、博士課程は設置していない)は、このような課題に取り組むべき研究能力を有する人材の育成が目標であり、是非、高校生のみなさんにも興味を持っていただきたいと思います。
ここで、現在、神経科学の研究分野で活躍している、そして私の共同研究者でもある樋川正仁君を紹介したいと思います。
樋川君は関西鍼灸短期大学を卒業し、併設の専攻科で学士(4年制大学を卒業した者に与えられる学位)を取得した後、鳥取大学大学院医学系研究科前期博士課程に入学し、続けて同大学後期博士課程に進みました。現在、「神経の可塑性」をテーマにした博士論文を作成中であり、週に1~2日程度、鳥取大学での実験データを本学に持ち込み、コンピュータグラフィックを駆使しながら解析を続けています(写真A:解析中の樋川君、写真B:解析している神経細胞の形態)。
彼は、「これまで培ってきた神経科学の知識と経験を、鍼灸の研究・教育に活かしたい。」と将来進むべき道を確信した様子で、私の眼に頼もしくさえ映る存在です。
理科離れが進んでいると言われている昨今、一人でも多くの皆さんに、研究の門戸を叩いていただき、未知の領域へ挑戦してもらいたいと思います。

