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鍼灸学科 東洋医療コース 東洋の真髄と西洋の科学性を修めた、患者さんを笑顔にする「臨床に強い鍼灸師」を目指そう。

2010/05/14(金)

鍼灸の魅力

 治療効果にこだわって長年鍼治療を続けた名人がたどり着く一つの結論がある。「鍼は『あー、それそれ』に当たった時が一番よー効く」と云うのがそれだ。
 確かに鍼が初めての患者さんでも「そこ」「それっ」と言うことがあり、そう言われた時の鍼は痛みをピタリと止める。1800年以上に及ぶ鍼治療の歴史において、「それそれ」の場所を探した人は多かったが、「それそれ」とはどんな意味かを調べた人はいない。そこで「それ」と言った人にどういう意味でそう言ったのかを尋ね続けた。数百人でヒントが得られ、そのヒントを元に質問票を作ってさらに尋ね続けた結果「それそれ」とは、鍼が自分の「痛い所に当たった」を意味していることが判った。
 「それっ」は神経科学で云う知覚である。鍼を刺すなどして身体が刺激されると、先ず「痛っ!」と感覚が生じ、幾つかの感覚が組み合わされ「当たった」と云う知覚が生じる。画像鍼灸.jpg
次いで幾つかの知覚が組み合わさって「今鍼が当たった所が私の痛みの源だ」と認知する。但し、認知が生じた段階でも、感覚、知覚は意識されないものの、存続している。右図はそれを示す。即ち右図には壺と「向き合う二人の横顔」が描かれている。それを知っていても一度に二種の象を見ることは出来ない。そう、意識は一つしかないからだ。
感覚、知覚、認知の中で、最初に起こる感覚が意識に上りやすい筈だが、体験、知識などに影響され、実際意識にのぼるのは感覚と知覚のせめぎ合いだ。何れにせよ意識にのぼったどれに注目したかで、異なる幾つかのツボ体系が創られことは興味深い。鍼名人の境地を反映した体系は、知覚に注目し、21世紀に入って完成した。
 ニードル・ミステリアスに心をつかまれ、鍼ワールド探検は一生続きそうである。

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