
2009年4月アーカイブ
2009/04/10(金)
東洋医療コースが目指す鍼灸師像
関西医療大学 保健医療学部 鍼灸学科 東洋医療コース 教授の楳田高士です。
鍼灸治療は2000年以上の歴史をもつ伝統医学であり、今や世界各国の保健医療の一分野を担うまでに成長しています。
世界保健機関(WHO)は世界の衛生・公衆衛生の指導的立場を有し、世界各国で健康問題の取り組みについてその理念と方向性を示してきました。
2008年北京で開かれたWHO伝統医学会議で事務局長のチャン氏が基調講演を行い、伝統医学が近年、高度に医療の専門化が進んだ国々で個別化した総合ヘルスケアとして急成長していると述べ、プライマリ・ヘルスケア(primary health care;PHC)のリニューアルとして、伝統医学を、誰もがアクセス可能な患者中心のヘルスケアを実現する医学として捉え直すことを提案しました。
PHCとは、住民にとって最も基本的かつ重要な保健医療をいい、健康増進、疾病管理、リハビリテーション、環境調整までも包括し、その実践に向けては保健指導、栄養、運動指導、福祉、医療社会事業などが必要となります。
具体的には地域の第一線の医療機関がこれに相当します。社会構造、人口構成、疾病構造なども大きく変化するなかで、今回のWHOが提案する伝統医学をPHCへ包含させるという「新しい風」はこれからの医療に変革をもたらすものと考えます。
鍼灸治療は「未病治」(疾病予防)に主眼を置き、地域住民の健康増進、健康管理を担う医療であり、まさしくこのPHCに相当します。
東洋医療コースでは、東西両医学をバランス良く修得し、地域の第一線で多くの人々の健康に役立つ鍼灸師(はり師・きゅう師)を目指します。PHCには上述したように幅広いフィールドがあり、鍼灸師の活躍の場が拡がっています。
本コースでは鍼灸師の資格に加えて、健康づくりのための運動指導を行う健康運動実践指導者の取得を目指します。将来的には、介護・福祉分野で活躍するための介護支援専門員(ケアマネジャー)や社会福祉主事として活躍の場を広げることも可能となります。
次号からは、鍼灸師としての活躍の場、具体的には病院勤務、鍼灸院・接骨院勤務、鍼灸院開業、スポーツ分野、美容・レディース分野、教育分野、研究分野、健康産業分野、進学・留学などをあげ、各活躍している卒業生の声なども紹介していきます。

