
2011/07/01(金)
スポーツ理学療法の意義
理学療法学科講師の高崎です。今回は「スポーツ理学療法の意義」についてお話ししたいと思います。
私は普段大学の診療所で仕事をしていますが、そこにはスポーツ選手だけでなく御自分で立ち上がることも難しいような高齢の患者さんなども多くいらっしゃいます。以前、スポーツをしている比較的よく動ける若い患者さんが、重度の障害を持った患者さんの様子を目にして、「あんなに大変な人たちが来られているところで、私のような元気なものがリハビリを受けるのはなんだか申し訳ないですね・・・」と言われたことがありました。つまり、スポーツのような激しい動きは出来ないけれど、日常生活は普通に営めるのだからそれ以上の回復を望むことは高望みであると言うのです。はたしてそうでしょうか???
我々理学療法士は、患者さんの基本動作の回復のお手伝いをすることが仕事です。基本動作とは起き上がったり、立ちあがったり、歩いたりすることです。これをスポーツに当てはめると、走ったり、ジャンプしたり、ボールを投げたりという動作になります。しかし我々が考えなければならないことは、単にすばやく起き上がれるようになればよい、安全に歩けるようになればよいということではなく、そのことによって患者さんの「生活の質」がいかに向上するのかを考えなければいけません。「生活の質の向上」とは、単に動きやすくなることではなく、それによってその患者さんが生き甲斐をもって人間らしい充実した生活を送れるようになることです。ではスポーツができるようになることはどうでしょうか?スポーツはまさに人間として充実した日々を送るための「スパイス」ではないでしょうか。患者さんが生涯にわたって充実したスポーツライフを送るための理学療法は、まさに「生活の質」を高めるために大きな意義を持つと思います。
本学科がモットーとして掲げる「治せるセラピスト」は、患者さんの充実したスポーツライフを生涯にわたって支え続けることもできるセラピストです。

