
kansai: 2010年1月アーカイブ
2010/01/07(木)
本学でのアスレティックリハビリテーションの取り組み
関西医療大学 保健医療学部 理学療法学科講師の高崎です。
今回は理学療法の中でも「アスレティックリハビリテーション」についてお話しいたします。
「アスレティックリハビリテーション」というのは、スポーツ競技者に対してのリハビリテーションのことです。我々理学療法士は、「立つ」「歩く」という日常生活に必要な動作だけでなく、「走る」「跳ぶ」「投げる」などのスポーツ活動に必要な動作に対してもリハビリテーションを行っているのです。
私自身も元々はこの「アスレティックリハビリテーション」に興味を持って理学療法士を目指した一人です。大学までスポーツをやってきて、自分や周りの仲間が怪我のために大好きなスポーツを思い切り楽しめないことに疑問を感じて理学療法を学ぼうと思いました。
世の中にある様々な治療方法の中で、スポーツ選手の怪我と戦う手段として私が理学療法を選んだのには理由があります。それは、理学療法が「動作を分析して怪我を治療する方法」だからです(このことは以前のブログでも書きましたので良かったら見てください)。
怪我の起こり方は様々ですが、多くの怪我はその動作に問題があって発生します。スポーツ動作で例をあげると、「相手をかわすためのステップ動作」や「ジャンプからの着地動作」などでは、安全な動作が上手に出来ないために突然靱帯が切れてしまうようなこともあります。また練習や試合で同じ動作を何度も繰り返す場合は、良くないフォームで行っていると、体のどこかに負担が集中してその部分に痛みが出たりもします。こういう怪我は手術で靱帯をつないだり、しばらく運動を休んで痛みが引いても、もとの動作(フォーム)が良くなっていなければまた同じ怪我を繰り返す可能性があるのです。
こういった怪我を根本からしっかりと治すためには、やはり「スポーツ動作の分析」、つまり理学療法が必要であると感じています。本学の理学療法学科では特にこの「動作分析」に力を入れたカリキュラムを組み、スポーツにおける速い複雑な動作もしっかりと見極められる「眼」を養ってもらいます。
またこのような「動作分析力」を養うことは、怪我の治療や予防だけでなく、競技力の向上にも役立てることができると思っています。
先日ある競技の日本代表選手がコーチと一緒に私の大学を訪れてくれました。目的は、前回の北京オリンピックで逃したメダルを次のロンドンオリンピックでは絶対に取りたいから、自分のフォームを分析してほしいということでした。
私はその競技をやったことは全くないですし、テレビでも少し見る程度の知識でした。それでも理学療法士は動作を見ることで何が効率のよい動作なのかを考えることができます。私たちはその競技の特性を選手本人やコーチと話し合いながら彼のフォームを分析し、より高い競技力を獲得するためのトレーニングのポイントを導き出すことができました。
スポーツ好きの私にとってはとてもわくわくする仕事でしたし、今まで関わったことがない競技のトップアスリートがわざわざ足を運んでくれたのも、我々が行っている理学療法に期待してくれたからだと思うと大変うれしく思いました。
これからも多くの学生さんにこの素晴らしい力を身につけてもらいたいですし、私自身もこの力の可能性を追求していきたいと思っています。

