![関西医療大学 教員ブログ[理学療法学科]](http://www.kansai-blog.jp/common/images/common/ttl_main_pt.jpg)
2012年1月アーカイブ
2012/01/06(金)
神経疾患理学療法の意義
こんにちは。理学療法学科の米田です。
前回の谷埜講師のお話に続いて難しい話題ですが、今回は「神経疾患理学療法の意義」についてお話したいと思います。「神経疾患」っていわれても、ピンとこない方も多くいらっしゃると思いますので、まずは「神経疾患とは何か」について説明したいと思います。
「神経」は、大きく分けると「脳」や背骨の真ん中を通り、脳に続く部分である「脊髄」といった「中枢神経」と、脊髄から出る「末梢神経」に分けられます。これらの神経の多くはヒトの運動をつかさどる筋肉を動かしています。つまり、「神経疾患」とは、神経の働きが何らかの原因で損なわれることによって、それまで出来ていた運動が正しく行われなくなる病気ということになります。
中枢神経が障害される代表的な病気として、脳卒中やパーキンソン病、脊髄小脳変性症といったものがあります。また、末梢神経が侵される病気には、筋委縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)やギラン・バレー症候群といった聞きなれない名前のものも含まれます。
近年では、「神経疾患」に対する優れた検査法や治療法が開発され、以前よりも早期の診断や治療が可能となりました。しかし、その多くは根本的に治すことが難しいとされる難病とよばれる病気が多く、症状が進行する病気です。このことは、年齢を重ねるごとに病気の程度が重くなり、それゆえに運動も悪化していき、立ったり、歩いたりといった簡単な動作ができなくなり、日常生活をおくることが徐々に難しくなります。また、動けなくなっていくことで関節や筋肉が硬くなる「廃用症候群」を患い、さらに一層動けなくなるという場合も珍しくはありません。そのために「神経疾患」に対しては、薬による治療と併用して1日でも長く日常生活を送ることができるように理学療法が必要となります。
「神経疾患」とよばれる病気はとても種類が多く、どれ一つをとっても、その原因は複雑でさまざまであり、運動が悪くなっていく状況は病気によってまったく異なります。そのために、病気に対する非常に膨大な知識と専門的な理学療法の技術が要求されるため、「神経疾患」を専門とする理学療法をおこなうことは決して容易なことではありません。しかし、こうした専門性を発揮して患者さんの状態を少しでも良くした瞬間に、「神経疾患理学療法」の醍醐味があるのではないかと感じます。

