
2010/08/06(金)
本学理学療法学科の「こだわり」とは?
理学療法学科講師の高崎です。今回は本学の理学療法学科がどのようなことに「こだわり」をもって教育を行っているのかご紹介いたします。
我々の一番の「こだわり」は「治せるセラピストを育てる」ということです。これは本学科のモットーになっています。この言葉を聞いて「?」と感じる方もいるでしょう。「セラピストなんだから患者さんを治せるのは当たりまえなのでは?」と思われるかもしれません。実は今のリハビリテーションは少し違ってきています。今のリハビリテーションでは、体に障害を持った患者さんに対してその人の役割を変更したり、その人の生活する環境を整えたりすることで障害を克服しようとする考え方が広まってきています。簡単に言うと、けがや病気をして動きにくくなったら、今まで勤めていた会社まで通うことは大変なので自宅でできる仕事に役割を変えましょうと考えたり、体がうまく動かなくても自宅での生活に困らないように家の造りを変えましょうと考えるということです。確かにこれも一つの障害の克服の仕方かもしれません。しかし、患者さんの中には、少しでもいいから自分の足で立ちたい、少しでも歩きたいと希望を持ち続けている方がたくさんいます。つまり僅かずつでもよいから体の機能を回復していくことをあきらめないきれない患者さんがいるのです。我々はそのような患者さんの希望に最後までお付き合いできる「知識」と「技術」を身につけもらいたいと考えて理学療法士を育てています。
私はスポーツ選手のリハビリテーションに関わっていますが、スポーツ選手にはそのような考え方が特に重要だと考えます。たとえば野球のピッチャーをしていた人が肩を痛めて思うようなボールが投げられなくなったとします。我々はその人に対して、「ピッチャーはあきらめてバッターとして頑張りましょう。バッターとして野球を続けたらどうですか?」とは簡単に言ったりはしません。なぜならその人は「野球」ができればよいのではなくて「ピッチャー」がしたいと思っているかもしれないからです。「ピッチャーができなければ野球をしていても仕方がない」と思っている人に「バッターでも野球は出来るんだから・・・」という言葉は「野球をやめなさい」と言っているのと同じことです。スポーツでは役割の変更をすることで障害を克服するという考え方が簡単には当てはまらないのです。このような我々が理想とする考え方は、現在のリハビリテーションの世界ではやや古い考え方になりつつあります。しかし、我々はあえてそこに「こだわり」を持って頑張っていきたいと思っています。

