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関西医療大学 教員ブログ[全学科]

2013年1月アーカイブ

2013/01/25(金)

『はり灸の力』 トリガーポイント鍼治療―最新鍼理論―


北川洋志  

 今回はトリガーポイントという鍼治療についてお話します。トリガーポイント(Trigger Point)を直訳すると、(筋肉や腱、靱帯などの痛みの)引き金点となります。つまりトリガーポイントとは、筋・筋膜性疼痛(いわゆる筋肉の痛み)の原因部のことをいい、トリガーポイント鍼治療とは、筋・筋膜性疼痛に対して痛みの原因部に鍼を刺して治す治療法といえます。
 筋・筋膜性疼痛では、痛みの原因部とは離れた場所に痛みを感じる「関連痛」という現象が起こるため、原因部をさがすのが大変で、このズレは数cm~1m以上になることもあります。ヒトの脳は痛みの場所を決める際、初めに固有感覚というものでけがをした場所を大まかに感じとり、傷口を"見る"ことによって痛めた場所を正確に決めています。しかし傷口を"見る"ことが出来ない場合、関連痛となって原因部から離れた場所に痛みを感じてしまいます。突然、傷口と痛みを感じる場所がズレると言われてもピンとこないと思います。皆さんが生活をする上で一番体験してきた痛みは、転んだりして起こる皮膚のけがでしょう。皮膚のけがの場合、痛みの原因部を傷として見ることができるので、痛みの原因部と痛みを感じる場所は同じです(写真左)。この小さい頃からの体験が「痛みを感じる場所=痛みの原因部」と思い込ませているのです。しかし、痛みやかゆみの原因部が見えない場合はどうでしょうか。例えば夏の夜に蚊に刺された時や背中にニキビが出来た時、不快な場所がはっきり分からなかったり、広い範囲に感じたりした経験はないでしょうか?これと同じ事が筋・筋膜性疼痛でも起こります。この痛みは体内にある筋肉や腱、靱帯などの傷が原因なので、直接見る事が出来ません。そのために傷のある部位と違う場所に痛みを感じるのです(写真右)。
 鍼治療を行う時には、患者さんの痛みを感じている場所が痛みの原因部位なのかどうなのかが当てにならない上、1m以上も離れて感じることがあるので、闇雲に鍼を刺した所で到底原因部に当たるはずもありません。そこで大学で勉強する解剖学や運動学の知識が役立ってくるのです。皮膚の傷口を指で刺激すると痛むように、筋・筋膜性疼痛の原因部を刺激すると痛みが生じたり、感じている痛みが強くなったりします。つまり、筋肉が縮んだり伸びたりした時に刺激が生じるので、患者さんの動きや姿勢を観察していくと痛みの原因部をさがすことができ、鍼治療が可能となります。
  "見えない"ばかりに自分自身の痛みの原因となる場所がわからず苦しんでいる患者さんのために、本学でトリガーポイント鍼治療を学んでみませんか!
ブログ図(北川先生)0125.jpg

2013/01/18(金)

生活は十人十色、だから在宅で訪問するお宅は様々


 皆さん、こんにちは保健看護学部で在宅看護論を担当している増田です。
 今回は在宅看護の特徴である「療養者が生活する"生活の場"での看護の提供」についてお話させて頂き、少しでも在宅に関わることの楽しさを感じて頂けたらと思います。
 生活の場である自宅は病院に比べ医療の環境が不十分ですが、そこでの看護は療養者の生活を大切にして暮らしを広げる支援を行います。しかし、在宅で訪問するお宅は様々であり、どれひとつとっても、まったく同じではありません。悩んだり、戸惑ったりしますが「個別性」を考えられるのはまさに在宅です。在宅には楽しさ、愉快さ、奥深さが詰まっています。
 ある学生さんが言いました「先生、Aさんの笑顔初めてみました。病院では家に帰せと語気を荒げておられ、歩けるのに転倒予防のために車椅子移動をされておりしかめ顔しか見たことありませんでした。お家では歩いておられ伸び伸びされているという感じです。」
 そうなんです、病院や施設では管理上、危険のリスクがある場合、治療優先の考えの下、本人の希望よりリスクを回避するための予防策が優先されることが多くなります。それに比べて自宅はなんと伸びやかに自分の思うように暮らせることでしょう。
 Bさんは在宅酸素使用中。毎月入院をしており、家族からなるべく入院回数を減らしてほしいと訪問希望がありました。本人は在宅酸素の必要性が分からず、気ままに酸素をはずして畑仕事をしたり自転車に乗ってふらふらと出かけています。居間から寝室まで数十メートル離れているのですが本人は「寝ている時ははずしているんだよ」とごく自然に応えます。在宅酸素の説明にパルスオキシメーターで酸素をしていない状態での数字と、酸素をしての数字を見てもらい「いい気持ちがする」という酸素をするといいという違いを実感してもらいました。そして、訪問の日は迎える準備をして待って下さるようになりました。誰かのためにワクワクするということは幸せですよね。
 寝たきりで麻痺がある方にとりリハビリはとても大切ですが、自宅では家族も掃除、洗濯、料理など生活が大切でありリハビリ中心に生活することは大変です。でも不思議なことに麻痺側にも力はあります。訪問で血圧測定を使用とすると、すごい力で跳ねのけます。身体を拭こうとすると麻痺側の手や足で看護師を蹴ります。そのかいあってか拘縮予防はできているようです。少しは、リハビリに役立っているようです。
 もちろん医療ニーズの高い在宅療養者は増えており、そのような方々の安心・安楽・満足につながるケアには知識と技術の習得が必要です。在宅看護の中心である訪問看護は1人で訪問しケアを行います。状況を的確に捉え判断しケアを行い必要があれば医師をはじめ多職種に相談し連携します。そこで大切なのが互いの専門性と尊重した横のつながりです。つながりは療養者と家族の方とも同様です。よそのお宅に看護師が入ることの難しさ、受け入れてもらえない戸惑いもあります。「先生」は療養者、家族、そして仲間です。
 今回、在宅のイメージを少しでもつけることができたでしょうか。在宅ケアを目指す仲間が増えることを願っています。

2013/01/11(金)

現場へ学生をつれていってみたら・・・その2


 皆さん、こんにちは。ヘルスプロモーション整復学科の相澤慎太です

 今回は、私が学生と取り組んでいる現場について紹介します。
 ここ数年、12月になりますと、シーズンオフとなった野球選手が大学を訪れることが恒例になっており、人数も徐々に増えてきています。
 彼らの目的は、フォームのチェックであったり、自分に適した機能的トレーニング方法の勉強であったり、身体の勉強であったりします。

 私は主に投球フォームの技術指導をしています。
 その他のトレーニングや身体の知識については専門の先生方の協力を仰いでいます。
 そして、それらの場面には常に学生がいます。
 「なるほど、それを学生は『見学』できるの!イイナ~」と、スポーツに関心のある方なら思われるかもしれません。野球が好きな方なら尚更かもしれません。
 しかし、私のこの活動の場面にいる学生は、ただの「見物」ではありません。
 『貴重な戦力』として活動してもらっています。

 学生の協力無しでは私の指導は成り立ちません。

 まず、投手の指導をする場合には『キャッチャー』が必要となります。140キロを超える速球を投げるような選手の相手はある程度の経験者でなければ務まりません。これは主に高校野球で捕手を経験していた学生に頼んでいます。貴重な存在です。
 そして、私の指導内容を近くにいて『記録する係』これは後で選手にポイントを整理して渡します。『動画や写真を撮影する係』もいます。選手にすぐにフィードバックできるようにしています。
 さらに、これが非常に貴重なのですが、『選手の学びの補助役』です。
本学の学生の強みは身体の仕組みを説明できることです。スポーツパフォーマンスに活かすためのトレーニングを効果的に行うためには、人体の構造の理解が欠かせません。
 解剖学や運動学の知識が必須になってきます。その点で本学の学生は解剖学や生理学、運動学は必修として学んでいます。ですから、教員が説明した専門用語の説明や補足をしてくれます。
 学生にしてみれば、憧れの野球選手が自分の説明を一生懸命に聞いてくれるとは夢のようだと興奮しておりますが、選手にしてみても学生の方が、質問もしやすく分かりやすいというメリットがあり大変に喜ばれています。
 自分が一生懸命に学んだことを発揮できる喜びを味わっています。これが強烈なモチベーションになります。

 こういった現場に参加している学生達は、将来は野球の指導もできる治療家になりたいという希望を持っています。
 私は学生時代に指導現場の空気感を味わっておくことは貴重な体験だと思っています。
 「プロ相手に学生にそこまで介入させて大丈夫か?」という心配の声もありますが、本学の学生の場合は「医療人になる」という選択をした時点である種の「覚悟」を持っています。ですから、あとは勉強と並行しながらやっていけばいいと思っています。

 『重要な戦力としての活動』これが学生の顔つきを見る見るうちに変えます。


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