
2010/06/18(金)
鍼灸の魅力
関西医療大学鍼灸学科東洋医療コース 近藤哲哉
西洋医療は大きく分けて外科系と内科系に分かれます。私の志した心療内科は後者に属します。心身症の患者に限らず、生活習慣病やパニック障害の慢性期を始めとする慢性疾患の診療を行っていると、「特に変わったことはないので、前回と同じ薬を28日分下さい。」と言われることも多いです。診察室のパソコンを使ってクリック1つで前回と同じ処方を行うことができるので、治療を行っているという実感が乏しくなることがあります。極端なことを言うと、薬の分子一つ一つを兵士に見立てると、実際に病と戦っているのは薬で、自分は軍隊に突撃許可を出すだけの存在にすぎないと思えてくるのです。 外科系は手術を行うので、「手当て」という言葉の語源のとおり、患者の体に手で触れる機会が多く、自分で治療している実感があり、内科系よりはこういう気持ちになりにくいと思います。そこで、患者さんに手当てを行うために本学で鍼灸師の先生から鍼灸を教わることにしました。病気というより症状の分類は西洋医学より東洋医学の方で明らかに細かく、患者が訴える症状は、西洋医学では奇妙に見える症状でも東洋医学の本のどこかに治療法が記載されています。これは、日常生活におけるあらゆる人間関係の問題の解決法がイスラム教のコーランを見ればどこかに書いてあることに通じます。争いはコーランというマニュアルに1つだけ載っている答えに従って解決すればいいだけなので、人間同士で争いようがないのです。患者が奇妙な症状を訴えたとき、治療者の側に知識がないとひどい場合は自律訓練や運動などの非特異的な治療を勧めることしかできず、ひどければ「気のせいだから気にしないように」の一言で片付けられることもあります。そのような例を示します。 写真は以前勤務していた病院に入院していた慢性疼痛の患者が自分で説明のために書いた自分の体の状態です。

